ゴキっと鈍い音がする


まさかとは思ったけど、そのまさか


自分の力では外れた肩を戻せないとわかり、壁にぶつけて肩をはめたのだ


とても鈍い音とともに、女の「いったー!」と言う声がした

あまりの光景に口は開いたまま


金城さんも少し目を大きく開く




その時、冷静に、全てを見ていたのは女ただ1人だった




「じゃ、携帯借りてくで」



左肩をくるりと一回まわし女は俺と目を合わせた


どう言うことだ?そう言う前に、女は窓際の机の上に飛び乗り、体を小さく丸めて



ガラスを突き破り窓の外へ落ちていく



「え?」


ここ、3階だぞ?!


パッと窓の外を見る



ありえないだろ。



逃げるためとはいえ…行動がやばすぎる




窓の外には、木にぶらさがる女

自分の来ていた制服のブレザーを両手に持ち、輪っかにして木に引っ掛けていた


俺はアクション映画でも見てるのか?そんな気持ちに陥ったが、ものすごい音がなり、現実に引き戻される



金城さんが近くの机を窓の外へ放り投げた

女がいる場所へ