そういえば
あたしも鈴から婚約者の話って聞いたことがない。まだ早いしってのもあって、気にしてなかったけど

実際あたしが結婚せなあかんとなると、ちょっとどんな人か気になる


「志木も全く知らんの?」

『如月財閥の御子息という情報だけで。あちら側も大事な跡取りのデータは、うまく隠しているようで。あまり手が出せません。』


ま、これで如月財閥と揉めるのは何があっても避けたい。


如月財閥は、東堂財閥と手を組んで経営をしてきた大きな財閥や。

如月財閥は確か……養子を取ったって聞いてたけど

その人なんかな



『もし経営計画報告会に言って、婚約者が来ていたら…あなたはもう本当に逃げれない』



アホやな、志木は



「覚悟してんねん、どこの誰でも、結婚することはもう…覚悟してる。やしもうええんやで」



電話越しでも、志木が泣きそうな顔をしてるのは分かってる。
案外志木は、泣き虫やから



そして、あたしのことを1番に考えてくれているのも知ってる





『杏?俺は嫌だよ』




わかってるよ