「どうしたん?」
泉に問いかけてみても、ん?何がだ?と優しく微笑まれた。
……言えないことやねんな
胸騒ぎが少しした
「そういえば!夏休み来るんだろ?早めに日にち言わないと、予約埋まるぞ?」
海斗さんの声で我に返る。
泉は普通の顔をして話に参加していた
勘違いじゃないと思うねんけど…
「杏?どうした?」
「…別に」
どうかしてんのは泉の方やろ?
少し睨むと、困ったように眉を下げた
「ごめん。大丈夫だから。泊まり行くだろ?みんなで予定を決めような?」
……なんなんよ
「うっわ!ほんと泉、杏ちゃんと話してる時だけ性格違うよな!あんな優しい声どっから出るんだ?きっもーー」
海斗さんは腹を抱えて笑う
新も、私もたまに思いますと共感している
泉は優しいよ
すごく優しい
だからこそ、何か1人で抱え込みそうや
でも泉が大丈夫って言うから、あたしが無理に聴くのは良くないよな。
せっかく海斗さんも来てくれてるんやし、旅行の話決めなあかん



