「君…病院を移るのっていってるのか?ゴトウに探させたが…手術待ちの患者は山ほどいる。手術をするってなっても、移れる病院もまだ見つかってないんだ」


そうだ
病気なのは親父だけじゃない。
手術だって順番待ちがある

その順番を待つ間、親父の身体は持つのだろうか


てゆうか杏は、何を言ってるんだ?



「諦めへんにゃろ?」


親父と俺を交互に見る


「諦めへんねんたら、やれることはやる!あたしも手伝う!」


杏は携帯を取り出して操作をする
その姿をただ見つめていた



「東堂の病院いくで。もう話はつけた」


「と、うどう?」

「杏!!!」

東堂って…自分の家に関わるのは嫌なはずなのに。どうして…


「泉?ちゃんと話せた?」

「…あぁ」

「よかったな。もっと話したいな!あたしもパパちんともっと話したい!」


ぱ?ぱぱちん?


「あたしは昔、知り合いの、良くしてもらった友達のお父さんを癌で亡くしてる。そこで知ってん。闘病生活は、本人の気合いと、ほんで……腕が良くて、判断をミスらへん医者が必要や」