「病気ってのは、心も弱らせるらしい。こうやっていつ命が尽きるのか、不安に駆られているのが耐えられなくなった。心残りだったお前とも話せたから。もういいかなって思ったんだ」
「勝手すぎるだろ。あの日話したくらいで、満足するなよ」
「そうだよな。諦めるなって…面と向かって言ってくれたのはあの子とお前だけだよ。前までは、お前の顔も見ずに話さずに死んでいくことが怖かった。でも今は、ただただ死ぬのが怖い」
こんな弱音を吐く親父を見たことがない
ゴトウや白瀬の前でも、きっと親父は…
強く振る舞ったんだろう
死を怖いと言う
当たり前だ
「手術うけろよ」
それしか道がないなら…うけろよ
それで死んだとしても…失敗したとしても…
「諦めるな姿は見たくない」
酷なことを言ってるのはわかってる。成功する可能性は低くても、可能性はある。
小さな希望にすがることによって
もっと絶望を感じるかもしれない
変な希望があると、親父が苦しいかもしれない
でも…
「よーーーーやく決心したかぁぁぁあ!!」



