愛は惜しみなく与う②


「病気ってのは、心も弱らせるらしい。こうやっていつ命が尽きるのか、不安に駆られているのが耐えられなくなった。心残りだったお前とも話せたから。もういいかなって思ったんだ」


「勝手すぎるだろ。あの日話したくらいで、満足するなよ」


「そうだよな。諦めるなって…面と向かって言ってくれたのはあの子とお前だけだよ。前までは、お前の顔も見ずに話さずに死んでいくことが怖かった。でも今は、ただただ死ぬのが怖い」


こんな弱音を吐く親父を見たことがない
ゴトウや白瀬の前でも、きっと親父は…
強く振る舞ったんだろう

死を怖いと言う


当たり前だ



「手術うけろよ」



それしか道がないなら…うけろよ
それで死んだとしても…失敗したとしても…


「諦めるな姿は見たくない」


酷なことを言ってるのはわかってる。成功する可能性は低くても、可能性はある。

小さな希望にすがることによって


もっと絶望を感じるかもしれない



変な希望があると、親父が苦しいかもしれない


でも…





「よーーーーやく決心したかぁぁぁあ!!」