パッと親父から手を離して杏は再び俯いた
「生きてたら…親子喧嘩もできる。謝ることもできる。叱ることもできる。もっと歩み寄ることもできる。でも…生きることをあんたが諦めたら、何もできひん!
泉だって、何もできひん。後悔しか残らへん」
俺に背を向けて杏は病室から出ようとする
金の髪を揺らしながら…
「少し2人で話せば?でも泉はあたしの大切な仲間や。父親やからって関係ないし」
振り返った杏は、赤い目を潤ませて訴えた
「泉のこと泣かしたら、しばき倒すしな!!」
人指し指を親父に向けてピシッと言い放ち、物凄い力で病室のドアを閉めてでて行った
俺は杏に助けられてばかりだな
「すげーだろ?あの子」
俺は杏のおかげで、自然と笑えるんだ。親父の前でも
「病人だぞ、俺は。急に胸ぐらを掴む奴があるか」
そう吐き捨てた親父も、顔は笑っていた
今なら素直になれる気がする
「泉、お前は毎日楽しいか?」
「あぁ。周りの奴らのお陰で、俺は毎日すごく充実してるよ」



