ゴトウさんはチラリとあたしを見て、ご無礼をお許しくださいと言い、病室を出た

ポツリと残されるあたし達

あたしゴトウさんに嫌われてる?まぁ初対面あれやったしな?


「ゴトウは…君が俺を助けたから。嫉妬してるんだよ。気にするな」


泉のお父さんがそう言う
あの時…のことね


「騒がしくしたね。今日は学校は?」

「テストやし、3時間しかないねん。な?」


一言も話さない泉にそわそわしながら、話を振ってみるが、無言

トホホホ
あたしこういう空気苦手やのに…


「勉強してるのか?ちゃんと」

「し、してる!!100点以外とる気せん!な?」


ええから返事しろや!
肘で泉の脇腹を小突くと、いてっと声を出した



「今更父親面か?俺の学校のこととか、テストのことなんて、聞いてきたこと一度もないだろ」


……泉


「ふん。最後くらい親として子供に説教でもしてやりたくてな」



え?最後?



「会うのは今日が最後だ。家のことや、蕪木組のことはゴトウに任せている」


え…それってどういうこと?


病室であたしと泉だけ、時が止まった気がした


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