「中興病院ってこれやろ?」

「多分…わりとデカイ病院だな」


看板が指す方へ行くと大きな病院があった。
内科?になるんか?
入院棟か、でも

病院って行かへんからあんまりわからへん


「多分、白瀬がいるはずなんだけど」

「あー!あの人ね!ほなこの辺で待ってる?」

そうすると言った泉は、近くのベンチに腰をかける。
泉は言わないけど


きっと緊張している

さっきから表情が固い。あんまり感情豊かな方ではないと思うけど、今は顔に不安な感じがでている。

そりゃそうや

いくら歪みあってたとはいえ、少しお互いのことを分かり合えたんや。
それに実の父親。心配なんは当たり前。


あたしでさえ、あの人の心配はする。


いい方向へ進めば、それでええねんけどなぁ


「若ーーーー!こっちでーす!」


非常口の方から声がして振り返ると、白瀬さんがこっちに向かって手を振っていた。
泉は声がでかいと呟いて、歩きだす


あたしがなんか緊張してきたわ