俺がそう言うと、黙れ!と杏は掌の少し硬い親指の付け根で、俺の頭を殴ってきた

ネイルがまだ乾いてないのか、あんまり手は動かさない

「いてーな!なんでどつくんだよ!」

「汚いゆうしやろ!!ばーか!」


な!!!誰が馬鹿だ!
響も不思議な色だねって、変なフォローしてるじゃねーかよ!


杏の指は

親指に 黄色
人指し指に 黒
中指に グレー
薬指に 茶色
小指に 赤

のネイルがしてある。


どう考えても汚ねぇだろ!!!


「なんで分からへんの!新と慧はすぐ気づいてくれたのに!!!薬指と小指折んぞ!!」


は??
なに野蛮なこと言ってんだ?そう思った時に、響が「あ!!」と声を上げた


「すごい!これ俺たちだね?」

「そうや!ようやく分かったか!さすが響やなぁ」

杏は、響に軽く飛びつき喜んでいる

俺たちってどう言うことだ?訳がわからないから、もう一度杏の手をじっくりみる


そして気づいた



「あ、俺たちだ」


響と同じ反応をしてしまう