紗羅ちゃんを片手に抱いて、落ち着かせる。こんな華奢な女の子。まだ17やで?
こんな子に…
「暴力の怖さなんて、知らんでええ。殴られる痛みなんて、一生知らんでええねん!」
それを…その恐怖を…
こいつは紗羅ちゃんに…
ぎゅっと拳を握る
泉があたしと男の間に立ち言った
「俺はこの女もお前も知らないけど、杏が悲しむなら…杏が怒るなら…杏が拳を痛める必要はない。俺がお前にトラウマ植えつけてもいいんだぞ?」
その声は落ち着いているが、とても冷たかった
紗羅ちゃんもすこし肩をビクッとさせた
「わ、わかった。紗羅、ごめん、、ほんと今まで…許してくれ」
男は涙を流しながらそう言う
紗羅ちゃんはあたしの肩から顔を上げて男を見た
「許すのは…無理。だけどもう、あたしに関わらないで」
その言葉に男は頷いて、もう一度謝った
ここまで脅せばもう大丈夫かな
そう思った
けど
泉が、さっさと帰れと、男の背中を後ろから蹴飛ばしていた。
ヒェェという情けない声とともに、男は去っていった



