愛は惜しみなく与う②

バランスを崩して、男はアパートの廊下に転がる。そんな男を泉は睨みつける

ひぃぃと情けない声を出すが、腰が抜けたのか動けないようだ


ふむ

ここで追い払ってもええねんけど、それじゃあ解決にならへん

紗羅ちゃんの家のドアを叩いて声をかける


「紗羅ちゃん?杏やで!ちょっと顔出せる?」


数秒してドアが少し開く。その隙間から、目を真っ赤にした紗羅ちゃんが顔を覗かせる


「あ、杏ちゃん…きてくれてありがとう。うわーん」

飛びついてくる紗羅ちゃんを抱きしめる
よーしよし

こわかったなぁ

サラサラの黒髪を堪能させてもらう


「さ、紗羅」


男の声がして、紗羅ちゃんは身体を震わせた。
声を聞くだけでこんなビクついて…


「一生トラウマになんねんぞ。お前がしたことが、紗羅ちゃんをずっと傷つけるねん!わかってんのか」


夜やけど関係ない。声を荒げる

男はそんなつもりはないと言う

ほんま腐ってんな