「あーーー暑い。暑くなるの早ない?」


教室でウチワを必死に動かす
なんでこの学校エアコン付いてないの?
ただでさえ、男だらけで暑苦しいのに、6月やのにもう暑い


「杏、これやるよ」


響が手持ちの可愛い小さな扇風機を渡してくれた。

「え、なにこれ!めちゃええやん!響は使わへんの?」

「うん!俺暑いの慣れてるし、女は汗かくと、化粧とか崩れるし嫌なんじゃないの?」


くぅぅぅ!!抱きしめたいぜ!!
響は日に日にとても、いい子だなと気づかされる。こうやってさりげなく女心をくすぐるのも、罪深いわ

ありがたく受け取って、扇風機のスイッチを押して窓の外を見る


暑いなぁ


もうすぐ夏休みか


「あ、明日だ…ようやく明日解放される!!」   

朔は片足を椅子に乗せてガッツポーズをしている。ガッツポーズするには早いと思うねんけど?

そんなあたしの気持ちを汲み取ってか、新が朔に、テスト終わってからガッツポーズしなさい。と言っていた

そう


明日がテストや!!