それに完治はしてない。

「なんでこうも、危ないことに飛び込んでくるかな…」

ため息が出た


ガヤガヤうるさいところをこっそり抜けて、塀の隙間から、外を覗こうとしたら、反対側からも誰かが覗いていた


「うわぁぁ!」


この声は…


「おい、朔!!そこにいるだろ?」


向こう側からは朔がこちらを覗いていた。よかった。まだ中には入ってないな


「泉か!?お前!ほんと!何してんだよ!」

「悪かった。帰ったら説明するから」

「ちゃんと帰ってくるんだな!?」

「あぁ、継いだりしない。大丈夫だ。待っておけと言っただろ」

「それは…杏が…」


ぶーぶーと言ったような朔の声がする
……杏の声が聞こえない


「そっちへ行く」


母屋の方をみると、こっちに見向きもしていない。サッと外にでると、みんなが居た



でも4人だけ


「杏は?」


そう尋ねると、全員ハッとした顔で言った


「杏ちゃんが!!塀を飛び越えて中に入っちゃって…」