愛は惜しみなく与う②


男の携帯を借りて離れる

ロープは緩まない。教室を動き回ってようやくハサミを見つけた

足のロープを切った時、ふらりと悠馬は立ち上がる


「大人しくしててってゆうたやん!」

「いって…躊躇いもなく椅子で殴れるとか、あんたどういう生き方してんだよ」


躊躇いあったわ、ボケ!
手加減してしもたんやんか


足は自由になった
でも腕がこれじゃ、まともに戦えへん
助け呼ばれたら終わりや


「お願い!30分だけ大人しくしといてくれたらそれでいい」


「…はぁ。俺は元々武闘派じゃないの。いてぇな」

あたしが椅子をぶつけたところを抑えている
ご、ごめん

ここからどうやって逃げるのか、見ものだな


そう言って悠馬は笑った

何処へでも好きに行け!と手であしらう


逃してくれるん?

躊躇ってたらあかん。チャンスや。

腕のロープも切って教室の扉を開けて外へ出た




「え?」



教室やと思ってたけど…まさか、ほんまにどこかの学校にいるなんて思わへんかった


目の前に広がる光景は、その辺の普通の学校の風景。
廊下を歩く生徒に、聞こえる話し声