男の携帯を借りて離れる
ロープは緩まない。教室を動き回ってようやくハサミを見つけた
足のロープを切った時、ふらりと悠馬は立ち上がる
「大人しくしててってゆうたやん!」
「いって…躊躇いもなく椅子で殴れるとか、あんたどういう生き方してんだよ」
躊躇いあったわ、ボケ!
手加減してしもたんやんか
足は自由になった
でも腕がこれじゃ、まともに戦えへん
助け呼ばれたら終わりや
「お願い!30分だけ大人しくしといてくれたらそれでいい」
「…はぁ。俺は元々武闘派じゃないの。いてぇな」
あたしが椅子をぶつけたところを抑えている
ご、ごめん
ここからどうやって逃げるのか、見ものだな
そう言って悠馬は笑った
何処へでも好きに行け!と手であしらう
逃してくれるん?
躊躇ってたらあかん。チャンスや。
腕のロープも切って教室の扉を開けて外へ出た
「え?」
教室やと思ってたけど…まさか、ほんまにどこかの学校にいるなんて思わへんかった
目の前に広がる光景は、その辺の普通の学校の風景。
廊下を歩く生徒に、聞こえる話し声



