愛は惜しみなく与う②


「はぁ…緊張して胃痛かったわ」


浮かしてた腰を床につけて、あたしは完全に座り込んだ。
なんやねん、もう
ここ最近1番つかれたわ。

いや、金城のときも疲れたけど、精神的に疲れた、今は。


「……あいつの彼女か?」

「は?なに?」


こっちは疲れきってんねん。見たらわかるやろ!
横たわってた男は、まだ同じ場所に突っ立って、こちらを見ていた


そして急に咽せて、しゃがみ込む


「ちょ、おじさん大丈夫?」


男のそばに駆け寄ると、その口元から血が出ていた。

……え、ほんま大丈夫?
切れた訳でもなさそう。吐血か?


「……はぁ。ちょっと頼まれてくれないか?」

「内容にもよるけど…」

「そこの棚の引き出しの1番上にある袋を取ってくれ」


そんなことかい!!それくらい頼まれるわ!
立ち上がることも困難なのか苦しそうにしている。

引き出しを漁ってみつかった袋には、大量に薬が入っていた


手渡すと、数錠そこからとって、水無で飲み込んだ


「……病気なん?」

「人の心配しないで自分の心配をしなさい」