愛は惜しみなく与う②

反射的にツッコミ入れそうになったわ。


一応いまシリアスな場面やねん。こんな時にツッコミさせんといて


「うがぁあ」


手首を踏みつけられてツンツン男は情けない声を上げた

そしてあたしも一瞬固まってしまった



だって、あまりにも立ち上がった男の人は大きくて、威圧感があったから




「くそ!離せ!」

「ふぅ…潔く終わってやろうかと思ったけど、予定が狂ったみたいだな」


そう言いチラリとあたしを見た

その目は威圧感はあるにしても、怖い感じはしなかった。
てか潔く終わるって何さ
やっぱ諦めてたやん!!


「兄貴に伝えとけ。やっぱり終わりの日は今日じゃないってな」


足に力を込めたのか、男は悲鳴を上げた

……痛そう

あたしは床にしゃがみこんでポカンとその様子を見ていた。

そのままツンツン男は、ヒィィと情けない声を出して、部屋から猛ダッシュで逃げていった



あたしなんて見向きもしないで、猛ダッシュ


えっと?逃してよかったん?
てか拳銃奪われてから、よっわ!!!