ツンツン男が息を吸う音
横たわる男の人の静かな鼓動に、ツンツン男は荒々しい鼓動
自分に銃が向けられてるのに、なんで静かな鼓動なんやろうか
頭がスッキリした状態で、次々に情報が入ってくる
「子供に見せるもんじゃない」
「あんたがそれを言うなよ」
「…そうだったな」
横たわる男の人は、悲しそうに笑う。その時静かだった鼓動が揺らいだ
ツンツン頭の鼓動が速くなる
拳銃に触れる肌が擦れ少し音が鳴る
動いた
2人の会話は全然入ってこんかったけど、このツンツン男は、泉を狙うためにあたしを人質にするって言った。
それだけで十分
泉の敵って分かったから
両手を地面について、右足を素早く伸ばして、ツンツン男の足を払う
見事に体勢を崩しすっ転ぶ男
我ながらナイスや!
払った足で、男の拳銃をもう一回、蹴り飛ばそうとしたその時
横たわっていた男の人が、動いた
そりゃもう、速いスピードで、あたしより先に男の拳銃を蹴り飛ばし、ツンツン男の手首を踏みつけた
いや、動けるやん…



