「若もやっかいだからなぁ…若の弱みのために、お前はひとまず生かしておくよ」
男はそう笑いあたしから拳銃を下ろした
ふぅ
ただ部が悪過ぎるのはあたしや。
ひとまず逃れたけど、こいつはやっぱり横たわる男の人に拳銃を向けてる訳で…
「ゴホゴホ!…合田…子供の前で見せるな」
絞り出すように声を出した男の人。子供の前でって、あたしのこと?
かちゃりと安全装置を外す嫌な音がする
え、待ってよ
どうすべき?
この人ほんま撃たれるん?
ベッドの男の人は、自分の最後を悟ったのか、逃げるそぶりもなく、ただツンツン男を見ていた
「あんた…ここまで酷くなってたんだな」
「好きにさせてやるから…そのガキを外に放り出せ」
男の人はあたしの方を見向きもせずそう言う。いや、そりゃまぁ人が撃たれるところなんて見たくもないけど
手が届くところに居るのにさ、助けれへんってもっとしんどくない?
あたしはあまりにも集中すると、すべての音が良く聞こえるようになる
志木が言うには、過度の緊張と集中は、あたしの五感を研ぎすませるらしい



