愛は惜しみなく与う②

でもこんな襖の中からは見えへんし…
外出てバレても困るし…
うーーーーん泉ではなさそうやし、隠れててええかな?って思ったんやけど、いや、あの秘密の部屋に泉がいたら?

んーーー…
ちょっと覗くだけ…


ソロリソロリと本棚方へ近づくと、中からの会話が聞こえるようになる


「まさかこんなボロボロだとはな!去年くらいからおかしいと思ったんだよ。」

「…ゴホゴホ」


……苦しそうに咳き込む人に、若めの声の男が話しかけている

ふむ…

困るのは何かって、どっちが泉の味方で敵か分からへんってことや。


多分泉のお父さんと、敵対してる人と…分かれてると思うねんけど、あたしでは判断つかへん


ただなんかすごい胸騒ぎがしたから


これぞ野生の勘


入口に近づきヒョイと中みるために顔を出す。





「うぇぇ!それはアカンて!」



は!やば!!

自分の口を押さえたがもう遅い。最後まではなしきってしまった!!!


いやだってさ????


ベッドで横たわってる人に、さっきのツンツン頭が拳銃向けてるから!!
なんでこんな場面に出くわしてしまうねん

あたしの姿を見て、ツンツン頭が目を丸くしている


ベッドで横たわる人は、こっちを見て睨んでいる



えっと…