「美鈴ちゃんはケガしてない!?とりあえずこれ着て!」 私の元に来てくれたのは吉さんと絵音。 渡されたのは上着で、こくんと頷いて。 震える手で上着を受け取って羽織った。 「あの、私の友だちがあっちの2階のロッカーの中にいて……」 指をさしたのは、木造校舎。 そこには隼人がいる。 「あたしたちが行ってくるから、美鈴ちゃんは暁のそばにいてあげて」 ぽんっと肩を優しく押されて、私は車へと乗せられた。 「あとは俺たちがやっておくから、あっくんを病院へ」 春樹さんに絵音が言うと、走り出す車。