今のを、思い出すだけでも恥ずかしい。



……私はどうかしてた。


最初は抵抗していたつもりだったのに、体に力は入らなくなるし、いつの間にかキスを受け入れているし……。

自分でもびっくり。




一条暁という男は、そうとうキスに慣れてる。
経験豊富だからキスが上手で、私は流されるように……。




気持ちをおちつけるために大きく息を吸った。


……なんか、短時間のうちにいろいろありすぎたな。


和正が月城組の人間だって前から知ってたとか、暁は私のことを小1の頃から好きだったとか、キスしたりとかキスしたりとか……。




ま、まぁ!
私のことを復讐に利用してたわけじゃないみたいでそこはよかったけど……!
それがわかったから、暁と離れる必要……じゃなくて、ホームレスにならずにすんだし!


そう思ったあと、また思い出すついさっきのキス。
記憶がよみがえって、あまりの恥ずかしさで私はその場にしゃがみ込んだ。





まだ暴れている心臓。
下がらない体温。

……どうしちゃったんだ、私。