一途な執事と甘いティータイム




「あれ?いらないの?なら俺が──」



「食べるから!……美味しいっ!」



下げようとしていた有嶋の手の中にあったポテトチップスをくわえて奪う。



パリッとするいい音に歯ごたえ。



この絶妙な塩加減がとてもやみつきになる。



「これ美味しすぎる!」



食べる手が止まらないとは、まさにこのこと。



バリバリボリボリと夢中で食べていた。



「いい食いっぷりだね。お前の父さんが知ったらどうなることか」



「それは言わない約束だからね!!」



これはこの家で私と有嶋しか知らない秘密のひと時。



有嶋にも秘密は守ってもらわないと困る。



「菓乃、明日は何がしたい?」



「へっ?」



もうすぐなくなってしまうんじゃないかという勢いでポテトチップスを食べ進める私に、有嶋が魅力的な質問を投げかけてきた。



「なんでもいいの?」



「あぁ、ティータイムの間は自由だからな」