一途な執事と甘いティータイム




もう少しでティータイム。



なんだか全ての物から解放されような気持ちで、とても清々しい。



───コンコン



「はーい!」



テンションが上がっているからなのか、いつもは返事なんかしないのに返してしまう。



「恐ろしく上機嫌ですね」



「何よそれ、ムカつく」



有嶋は一言余計なんだよ。



だから、こうイラッとくる。



いつものお盆の上には何故か空のコップとお皿に乗ったマドレーヌ。



マドレーヌの美味しそうな匂いが漂ってきてお腹が空いてくる。



でも、なんで飲み物は空……?



「さぁ菓乃お嬢様、ティータイムですよ」



その合図で、私のお嬢様の時間は終わり。



今からはどこにでもいる普通の女の子。