「ティータイムはお嬢様であることは忘れても構いません。私もお嬢様をお嬢様扱い致しません」



……おぉ、有嶋にしてはいい提案!



言っていることを頭の中で整理して理解するまでに時間がかかってしまったけれど、それは大歓迎だ。



有嶋からもお嬢様扱いされないのなら、学校へ行っている時と一緒。



私の自由時間だ。



「その提案に賛成!」



こんな好条件、私が反対するわけない。



「それでは交渉成立ということで。私もこのティータイムの間だけは執事としての執務を忘れますので、お父様にはくれぐれも秘密でお願いしますよ」



「もちろん!」



こんなのお父さんが許すはずがない。



でも、バレなければ自由。



これは何がなんでも隠し通してみせる。



「では、お飲み物とお菓子をお持ち致します」



有嶋はペコリと頭を下げて部屋を出ていった。