「お嬢様、先日私が言ったことお忘れですか?」
有嶋が言ったこと?
何かそんな大事なこと言っていたっけ?
一体何の話か微塵も想像がつかない私は、ポカンとするしかない。
有嶋は「もう、まったく…」なんて呆れ顔で私を見下していた。
「私はこう言ったのですよ?"悪い子にはお仕置きが必要ですね"と」
ゾクッと背筋が凍りそうになった。
そのセリフに込められたその日の出来事。
今、私を悩ませているあの一件。
「お嬢様はまだ懲りていないのですか?」
「えぇ、いや、あの……」
目の前で仁王立ちされているため逃げられず、その場で目を泳がせるしかない私。
どうしよう、どうしよう。
心臓がバクバクと大きな音をたてている。
「さぁ、今日のお仕置きはどうしましょうか」
わあぁ、悪魔の微笑みだ。
どうやら私はどうやっても逃げられそうにない。
どうにかこの場を切り抜ける策は……



