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これはやってしまったかもしれない……。
私が普通の高校に、ましてや電車通学を許可して貰っているその条件のひとつが有嶋と登下校を共にすること。
お父さんが心配症だということもあると思うけど、私が逃げたり事件に巻き込まれないようにするための策。
それなのに今日、私は有嶋を置いて先に帰ってきてしまった。
朝でさえも意識してしまっていたのに、美菜子に話してからさらに顔を合わせられなくなった。
美菜子が有嶋は私に好意を持っているなんて言うから……。
お父さんにバレたら、こっ酷く怒られるかな。
この前もパーティー脱走事件で怒られたばかりなのに。
まぁ、全て自分がやったことなんだけど。
自分が悪いとわかっていても、怒られたくないというずるい所は人間誰しも持っているはず。
「はぁ……」
自然に出たため息に、本当に今日はため息ばかりだと思いながら、三つ編みを解き、制服のままベッドに倒れ込んだ。



