「ふふふ、恋に悩める菓乃ちゃん。私にお任せあれっ!」
急に座り直して背筋を伸ばした美菜子は、私の相談に乗る気満々。
その気持ちは嬉しいんだけど……
気合い入りすぎじゃない!?
「さて、恋する乙女の菓乃ちゃん。ゴールデンウィーク中に何があったのかな?」
「もう、そんなに楽しまないでよ……」
「違うよ!私は真剣に菓乃の悩みを解決しようと───」
「わかったよ、ちゃんと話すから!」
口をぷくーっと膨らませる美菜子に、私は観念して、ゴールデンウィーク中の出来事を話した。
もちろん、パーティーのことや悩みの原因の相手の有嶋が執事ということは隠さなければいけない。
仲のいい先輩が家に遊びに来た時に、部屋で二人きりになり、いきなりおでこにキスをされた。
美菜子にはそうとしか話せなかった。
「ふぅーん」
全てを聞き終えた美菜子は、何故かとてもニヤニヤしている。
絶対楽しんでるのよね!?
私は今、どうしたらこのモヤモヤを消せるのかと悩みに悩んでいるというのに。



