「お悩みなら聞くよ?」
美人で性格も良くて、とても優しい他人思いの美菜子。
これはきっと今までもモテてきたに違いない。
私は今まで女子校だったから、異性にモテるとか全て漫画の世界の話で、現実ではよくわからないけど。
お悩み……
これをお悩みと言ってもいいのかどうなのか。
ただただ、このモヤモヤをとっぱらいたいだけ。
どう話を切り出していこうか。
そんなことを考えつつ、紙パックの緑茶をチューっと吸った。
……時だった。
「もしかして菓乃、恋愛の悩み!?」
「……ぶふっ!!」
危ない危ない。
口の中のお茶を吹き出してしまうところだった……。
あまりにもわかりやすい私の反応に、美菜子はケラケラとお腹を抱えて笑っている。
「ち、違うんだよ!そうなんだけど、そうじゃなくて……」
これを恋愛というカテゴリーに含めていいのかはわからない。
だって、有嶋のことを好きなのかと聞かれたら、別にそうじゃない。
そうじゃないけど……



