一途な執事と甘いティータイム




「もし菓乃が嫌なら諦めるけど?」




もともとそういう約束だしと私に答えを求めてくる。




「別に……いや、じゃないけど」



「そっか、よかった。このことは俺から伝えとくよ」




安心したのか、ふわりと笑って途中まで片付け始めていたティーカップたちをお盆に乗せていく。




「それでは愛しの菓乃お嬢様。テスト勉強頑張ってくださいね」



「愛し……」




前に、家が嫌で家出して私のお父さんが執事として雇ってくれた時、いつか恩返しをしたいと悠生が言っていた。



多分、桜宮グループに貢献することが悠生にとってひとつの恩返しなのかもしれない。



経済学部を目指していたのはそのためだったんだね。



私も決めたんだ。



ずっと嫌で嫌で仕方がなかったけど、Sakuraを愛してくれている美菜子のため、今も手に取って買ってくれているファンの人たちの笑顔のために逃げずに頑張るんだって。




「よし、見てろよ悠生!」




すぐに私だって追いついて、ついでに追い抜いてやるんだから。