「いらっしゃいませ、菓乃お嬢様」
「ふわぁっ!?」
な、なんで話しかけてくるの?
いつの間に近くに来たの!?
本当に心臓に悪い。
「えぇーっと、2人は知り合いなんですか?」
いきなり話しかけてきた執事が私の名前を呼んだから、不思議そうに美菜子がそう問いかけた。
でも、その目は……
「すみません、申し遅れました。私、菓乃お嬢様の専属執事をしております、有嶋と言います。坂井さんのことはお嬢様からお話を聞いていますよ」
あぁ……美菜子が何か勘づいている。
不敵な笑みを浮かべている。
私の挙動不審な様子を見て、気づいていながら問いかける確信犯。
「あなたが有嶋先輩ですね!菓乃からお話はよく聞いてます!」
「菓乃お嬢様が私のお話を?」
有嶋は意外だと言うような目で私を見ていた。



