美菜子が私の髪を整え始めてから、早数分。
「できた」と後ろから美菜子の満足そうな声が聞こえた。
「ほら、見てみて?」
そう手渡された手鏡を見て驚く。
「すごい!綺麗!」
まるでパーティーの日にヘアセットしてくれるメイクさんのよう。
プロにして貰ったかのような仕上がり。
私には到底できない。
「すごいよ、美菜子!美容師さんになれるんじゃない?」
「本当?私、将来美容師目指してて……そう言ってくれて嬉しい」
美菜子の夢を初めて知った。
「美菜子なら絶対なれるよ!応援してる!」
「えへへ、ありがとう」
ちょっぴり照れた顔の美菜子が可愛い。
いつか美菜子がお店を開いたら、私が1番のお客さんになると心に決めた。



