校内はとても騒がしかった。
全てが初めてのことで、驚きでいっぱいになる。
「ご機嫌よう」なんて優雅に挨拶をする習慣はない。
「廊下にクラス表貼られているので確認してください。ちなみに1年生の教室は4階ですよ」
「あ、うん、ありがとう」
それだけ言い残して、有嶋は教室へと消えていった。
電車の中で交わした、"校内では必要以上に関わらないで"という約束を守ってくれているらしい。
いろいろと厄介だけれど、物わかりがいいようで助かる。
「えっと、自分のクラスは……」
でかでかと張り出されている紙を見て、必死に自分の名前を探す。
今までは事前に連絡が来ていたし、こんな人ごみにまみれて壁を見上げることなんてなかった。
「あっ、みっけ」
名前を探すのに苦労はしなかった。
私のクラスは1年A組らしい。
前から順番に見ていったこともあり、すぐにクラスを確認することが出来た。



