「お待たせ致しました」
戻ってきた有嶋の声を聞いて、ピクリと揺れる肩。
明らかに動揺が隠せていない私。
ドキドキとうるさい心臓。
お願いだから、落ち着いて。
今日のティータイムのメニューはクッキーとミルクティー。
とても甘い組み合わせ。
「さぁ、ティータイムに致しましょう……菓乃お嬢様?」
「あ、うん」
すぐに反応できず、名前を呼ばれてからやっと席を移動した。
……気まずい。
どこを見ていたらいいのかわからず、ひたすらクッキーを口に運び、ミルクティーで流し込んでいく。
うん、甘くて美味しい。
「ちょっと落ち着いて」
「……っ」
気づけばたくさんあったクッキーは残り数枚になり、カップの中のミルクティーはそこが見えていた。



