こんなに面倒くさいお嬢様なのに、こんなに心配してくれる。



嫌で嫌で無視を続けていたけれど、私はずっと幸せ者だったのかもしれない。



制服から部屋着に着替えて、見慣れたソファーに腰をかける。



そういえば、まだ有嶋の姿を見ていないような?



なんだかんだ助けてくれてるし、有嶋にも謝りたかったんだけど、まぁいっか。



会った時に言えれば……



「おい!」



「!?!?」



大きな扉の開く音と大きな声がぶつかって、驚きすぎた私はビクッと方を揺らす。



まるで瞬間移動をしたかのように目の前にやってきた有嶋はすごい顔でこちらを見つめていた。



「今まで一体何をしてた!」



怒っているようで、安心しているようななんとも言えない顔。



「ごめんなさ……」



「どれだけ心配して探し回ったと思ってるんだ!!」