一途な執事と甘いティータイム




「だからね、理由はあるのかもしれないけど本当のこと、話して欲しかったんだ。本当の友達じゃなかったのかなって悲しくなって……距離置いちゃってごめん」



今にもこぼれ落ちそうな涙を目に溜めて、俯きながら謝る美菜子。



ううん、違うの。



謝らなきゃいけないのは、美菜子じゃなくて私なの。



「謝らないで美菜子。ちゃんと信じてあげられなかった私が悪いの。ごめんね、私、美菜子のこと本当に大好きで、関係を壊したくなくて……それなのに」



それは真逆の効果だった。



「いいの、大好きって言葉が聞けただけで嬉しい!……もし良ければだけど、何があったのか教えてくれる?」



次こそは美菜子のことを信じよう。



美菜子は私にとって初めてできた大切な友達だから。



私がまだお嬢様学校にいた頃の話。



その頃にも友達はいた。



でも桜宮グループの力が強すぎて、近づいてくるみんなは仲良しなのにどこか嫌われないようにと気を張っていて、私の顔色をうかがって……



嫌われたら潰される、気に入ってもらえればコラボをしたり、提携して利益を上げることができるかもしれない。



友達との交流はまるでお偉いさんの集まるパーティーみたいで、ビジネスのようだった。