一途な執事と甘いティータイム




深いため息をついて、ネットカフェを後にする。



今更家になんか帰れないし……



というか帰りたくもないし。



だからと言って野宿も嫌。



「どうしよ…」



「……菓乃?」



「えっ」



振り向くとそこには、気まずそうにする美菜子の姿があった。



「どう、したの?」



きっと嫌われている。



そう思うと、出す声が無意識に震えてしまっていた。



「私はバイトの帰りで……菓乃こそこんな遅くにどうして?」



そういえば前に駅近くのカフェでアルバイトを始めたって言ってたっけ。



「家に帰りたくなくて」



「じゃあ、家に来る?」



「い、いいの……?」



「うん、もちろん」



美菜子は何も聞かず、私のことを軽蔑もせず、家に招いてくれた。