一途な執事と甘いティータイム




海に近づくに連れてだんだん車内の人が少なくなる。



降りる予定なのは次の駅。



微かな記憶だけれど、一度だけここに来たことがある。



確かお父さんとだったかな?



あの時はまだ何も知らなくて毎日が楽しかった。



懐かしいなぁ。



電車を降りるとその気持ちがより一層増した。



古びた駅に、最近変えたのであろう真新しい自動販売機。



平日だからか少ないけれど、遠くに見える砂浜にはちらほらと人影が見えた。



砂浜の上を歩くのが気持ちいい。



近くに見つけた岩に腰をかけて、まったりと海風を感じる。



「癒されるー」



どこまでも続く広い海を見ると、嫌な気持ちも忘れることができた。