一途な執事と甘いティータイム



「俺の母さんは、大河の母さんに追い出された。なんて言っていたのかはわからないけど小さな俺でも母さんが酷いことをされていたのはわかって……

ある日突然、俺にごめんとだけ言ってあの家を出ていったんだ。そして気がついたらあの女と父さんが再婚していて、そのお腹の中には既に大夢がいた」



有嶋は過ぎ去った過去のことだと平然と話す。



きっと辛い過去なはずなのに。



「それから俺はその女のターゲットになった。俺が母さんとの子だから気に食わなかったんだろうな。

跡取りもいつの間にか大夢にすり替わっていて、俺は表には出られずに雑用ばかりさせられていた」



なんて酷い人なんだろう。



有嶋のお母さんがどんな人かはわからないけど、なんの罪もない有嶋のことまでもそんな扱いをするなんて。



「やっと高校生になって俺は家を出た。すっげー清々しい気分だったよ」



そう言う有嶋は、言葉の通り清々しい顔をしていた。



「だから現実から逃げることは悪いとは言わない。ただ菓乃の場合は業務を放り出したり、突然姿消して人に迷惑をかけすぎだ。少しくらいは反省しろ」



「……なんで突然説教」



どういう流れで私が怒られてるの?



せっかく有嶋の辛い過去に同情して、有嶋なりに過去を乗り越えて頑張ってるんだって少し尊敬してたのに。