……さすが、次期社長。
案が出ず進まなかったり、逆に案が出すぎてまとまらなかったりと難しい話し合いも、大河の力でサクサクと進んでいく。
悔しいけれど、きっとこういう人が将来トップに立つのだろうと思いながら私は話し合いの内容を黒板に書きまとめていた。
今のところ出ているのは『お化け屋敷』『メイド喫茶』『カフェ』『タピオカ屋』『パンケーキ屋』などなど。
定番中の定番が案として上がってきていた。
「うん、お化け屋敷とメイド喫茶は毎年人気みたいだね……見た感じ食べ物を出すお店が案として多いからそっちの方向で行くのはどうかな?」
大河がそう言えば、単純に乗っかっていくクラスの女子たち。
イケメンに目がくらんでしまう気持ちはわからなくもないけど、大河はね……
本性を知っている身としては関わりたくない存在だ。
「よし、じゃあ今の案でいいかな?」
んん?
ちょっと違うことを考えていた隙に話し合いは結構進んでしまっていたらしい。