「ちょっと大河、何考えて……」
「自分から立候補なんて助かるよ。ありがとな、大河」
私が大河になんのつもりなのか問いただそうとしたけれど、それさえも消されてしまう。
先生は満足そうにして、私の名前の隣に大河の名前を書き足した。
相変わらずクラスの女子たちはざわついている。
大夢くんが実行委員をするなら私も一緒にやりたい。
そんな声が聞こえてくる。
教科書の件もそうだけど、私としては"どうぞどうぞ変わってください"という気持ち。
その方が私はすごく嬉しいんだけど……
「じゃあ桜宮と大河、前に出て話し合いを進めてくれるか?」
先生がそれを許さないという感じで、話を進めてしまった。
「よし、菓乃ちゃん前行こ。俺が進めるから記録お願いね」
ノリノリな大河に、私は大きなため息しか出なかった。



