「桜宮だな。俺も協力するから心配しなくていいぞ。実行委員にならなかった奴もちゃんと協力してやれよー」
勝負の行方を確認した先生は、黒板に私の名前を書いた。
「……最悪」
そんな気がしてたんだよ。
本当に実行委員になってしまうとは思っていなかったけれど、嫌な予感というものは当たりやすいらしい。
先生に「よろしくな」と言われ、小さく返事をし、渋々席に着いた。
そんな私の姿をみて隣にいる大河がクスクスと笑っている。
もう、朝から本当に腹が立つなぁ。
怒りを込めて大河を睨みつけると、私を無視して突然大河は手を挙げた。
「先生!」
「おぉ、どうした大河」
「俺やります、実行委員」
「…はぁっ?」
思わず出てしまった声は、他の女子の驚く声と重なって消えた。



