一途な執事と甘いティータイム




やってきた転校生はよりによって私の大嫌いなアイツ。



「わからないことだらけなのでいろいろ教えてください。みんなよろしくお願いします」



あの馴れ馴れしさは一体どこへ?と思ってしまうくらいに真面目な大河。



まるでパーティーの時の挨拶のよう。



ヤダヤダ、せっかく私の自由時間の学校でめ嫌なことを思い出しちゃった。



それもこれも全部大河のせい。



そもそもなんでここに転校してきたの?



家を引っ越したわけでもないし、わざわざ来る必要ないよね?



「あの、違ったら申し訳ないけど…TiGの大夢くん……?」



クラスでも割と目立つ方でブランド物が好きな女の子がそう大河に問いかけた。



大河はTiGの御曹司でもあるけれど、専属モデルでもある。



だから新作のポスターにだってなって街中に貼られているし、ファッション雑誌にだって出ている。



だから、言わば有名人だ。



「知っててくれたんだ。ありがとう。でも、ここでは1人の生徒だからクラスメイトとして仲良くしてくれると嬉しいな」



そんな似合わない爽やかなセリフでまた教室中に歓声が上がる。



人が違いすぎて虫唾が走る。