一途な執事と甘いティータイム




着替えとヘアセット……身だしなみを整えるには時間がかかる。



その点、三つ編みは寝癖のついた髪をヘアアイロンで伸ばす時間も短縮できて楽なヘアスタイルかもしれない。



慣れてきただけあってすぐにできあがった。



「有嶋ーっ!」



「準備できましたか? ……遅刻ギリギリですね、急ぎましょう」



車を出してもらえば、まだ余裕で着くような時間帯。



でもそれは嫌だと言う私のために車はお願いせずに、ギリギリまで待って一緒に家を出てくれた。



有嶋自身も遅刻してしまうかもしれないっていうのに。



「走りますよ、菓乃お嬢様」



「え、走るの?」



「次の電車に乗らないと遅刻確定です」



「えぇっ!?」



そんなにギリギリだったとは……



休み明け初日に遅刻なんて笑われてしまう。