「さぁ、着きましたよ」



話が一区切りついたところで、ちょうどダイニングに到着した。



有嶋がドアを開けると同時に漂ってくる美味しそうな匂い。



お父さんのお気に入りのシェフが作る料理は今日もすごく美味しかった。





***



「お嬢様、起きてくださいお嬢様」



誰?
私の睡眠を妨害してくるのは……



人がせっかくいい夢を見ていたというのに、ゆさゆさと体を大きく揺すられて、重い瞼をゆっくり開ける。



「……有嶋か。もう少し寝させて」



「いけませんお嬢様。これ以上寝ておりますと学校に遅刻します」



「……はっ!」



忘れてた。

今日から学校だ!



長い夏休みのせいで遅寝遅起という崩れた生活リズムに慣れてしまっていたせいで、起きられなかった。



時間を確認するともう7時半。



「ちょっと!なんでもっと早く起こしてくれなかったの!?」



「いえ、起こしましたよ。それでも起きなかったのはお嬢様です」



そこをもっとパシッと起こしてよ!

という心の声は、自分が悪いということはよくわかっていたので口に出さずに飲み込んだ。