一途な執事と甘いティータイム




女の子にとっては嬉しい大きなクローゼットのドアを開けて、シワひとつない真新しい制服を取り出す。



今日からこの制服を着ていくんだ。



袖を通すだけで、ワクワクする。



「ごきげんよう」なんてお金持ちしかいない学校なんかじゃなくて、普通の学校はどんなところなんだろうか。



一度だけ面接の試験で行った時は、綺麗とは言えないけれど、普通の学校。



まさに私が理想としているようなところだった。



だからこそ、楽しみで仕方がない。



───コンコン



「はーい」



「朝食のご準備ができました」



ちょうど身だしなみが整った頃、有嶋が戻ってきた。



「……あれ?」



さっきと服装が違う。



スカートとパンツという違いはあれど、色合いといいデザインといい私と一緒だ。



「あぁ、朝食を食べてすぐに高校へ行かなければなりませんので着替えて参りました」



そういえば、有嶋は同じ星華学園の3年生なんだっけ。



昨日、そう話していた気がする。