一途な執事と甘いティータイム




***



「……お嬢様、菓乃お嬢様。朝ですよ」



眠く重たい瞼をゆっくりと開くと、眩しいくらい部屋に差し込む陽の光と有嶋がいた。



「…なんで勝手に私の部屋に入ってきてるのよ」



「なんでと言われましても、私は菓乃お嬢様の専属執事ですので」



「だから、お嬢様はやめてって言ってるでしょ」



朝から最悪な目覚めだ。



まだ眠っていたい気持ちを抑え、渋々起き上がる。



「早くしないと初日から学校に遅れますよ?」



「わかってるわよ」



今日は星華学園の入学式。



初日早々遅刻だなんて、ありえない。



ちょっと焦りの気持ちを覚えて、目が覚めた。



早くルームウェアから着替えようとボタンに手をかけた時、まだそこにいる有嶋の姿に気づく。



「それよりいつまで私の部屋にいるつもり?」



「お嬢様が二度寝しないようにです。では、お食事の準備ができましたら呼びに来ます」



長々と私の部屋に滞在していた有嶋は、そう言って部屋を出て行った。