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「……お嬢様、菓乃お嬢様。朝ですよ」
眠く重たい瞼をゆっくりと開くと、眩しいくらい部屋に差し込む陽の光と有嶋がいた。
「…なんで勝手に私の部屋に入ってきてるのよ」
「なんでと言われましても、私は菓乃お嬢様の専属執事ですので」
「だから、お嬢様はやめてって言ってるでしょ」
朝から最悪な目覚めだ。
まだ眠っていたい気持ちを抑え、渋々起き上がる。
「早くしないと初日から学校に遅れますよ?」
「わかってるわよ」
今日は星華学園の入学式。
初日早々遅刻だなんて、ありえない。
ちょっと焦りの気持ちを覚えて、目が覚めた。
早くルームウェアから着替えようとボタンに手をかけた時、まだそこにいる有嶋の姿に気づく。
「それよりいつまで私の部屋にいるつもり?」
「お嬢様が二度寝しないようにです。では、お食事の準備ができましたら呼びに来ます」
長々と私の部屋に滞在していた有嶋は、そう言って部屋を出て行った。



