「まだちゃんと自己紹介をしていないと思いまして……」
「あぁ、それならどうぞ」
認めてないとはいえ、名前も知らないというのはどうかと思い、それくらいはと許可を出す。
自己紹介が終わったらさっさと出ていってもらおう。
「ありがとうございます。私、有嶋 悠生と申します。歳はお嬢様の2つ上で、同じ星華学園の高校3年生です」
「有嶋悠生さんね。執事にしてはだいぶ若いけど大丈夫?」
私の知っている執事っていうのは、ある程度年齢もいっている大人だ。
そう考えると同じ高校生なんて、ただの子どものように思える。
「執事としてならお任せください。ずっと神山さんからご指導いただいてたので。では、また明日お迎えに上がります。ごゆっくりお休みください」
きっちりと綺麗な礼をして、有嶋という人は出て行った。
これからどうなるんだろうか……
明日からの生活が不安で仕方がなかった。



