確かに、津田は顔がいい。
同意するのは悔しいので夏歩は黙っていたけれど、顔だけで言ったら間違いなく爽やか系のイケメンだ。
いつも“なっちゃん、なっちゃん”と鬱陶しいので、夏歩には全くその爽やかさは感じられないけれど、そんな鬱陶しい一面を知らない人達には、きっと爽やかなイケメンに見えていることだろう。
「次に、料理が上手い。高校の調理実習では、夏歩も散々お世話になったでしょ」
それも確かだ。調理実習は津田のおかげで何とか乗り切れたと言っても過言ではない。
でも、これも同意するのは悔しいので、夏歩は返事をせずにおく。
「それに夏歩の話だと、津田は料理以外の家事も出来るみたいだし」
その通り津田は、夏歩が散らかし放題に散らかした部屋を片付け、洗濯物を夏歩よりずっと上手にたたみ、時間があるからとお風呂とトイレと玄関まで掃除してしまった男だ。
中々手際が良くてしかも丁寧で、見違えるように綺麗になったのは言うまでもない。
「それに何より、好きになったら一直線、どこまでも真っすぐで一途ってところもあるしね。顔が良くても浮気性じゃちっとも魅力は感じないけど、その点津田は浮気とは無縁でしょ?」
「……でしょ?って言われても」