【完】STRAY CAT




「おねえちゃん、ちゃんと完食したよー」



「偉いじゃない。デザート頼んでいいわよ」



「でも、あとちょっとでおなかいっぱいになっちゃうから……

おねえちゃん、半分こしてくれる?」



「ふふ、うん。……じゃあ、半分こね」



……ちゃんと蒔は笑ってくれてる。

だいじょうぶだ。わたしの気持ちはまだ波打っているけれど、薪が大事って気持ちに変わりはないから。



「蒔、こっち向いて?」



せっかくの外出だから写真でも撮っておこうと、デザートが運ばれてきてから彼女にスマホを向けた。

プロ顔負けなんじゃないかってくらいの笑顔を見せてくれるから、写真の中の蒔はいつも笑ってる。




「おねーちゃん」



「ん?」



「はい、あーん」



ティラミスをすくったスプーンを、わたしに差し出している蒔。

一瞬きょとんとしてしまったけれど、差し出されているからとにかく食べれば、にっこり笑う。



「がんばってるお姉ちゃんに、ごほーびなの!」



……なにそれかわいい。

にこにこ笑顔の妹の頭を、「ありがとう」と優しく撫でる。蒔はいつも泣き言を言わないから。そうやってわたしに迷惑をかけないようにしようとするから。



だから、こんなにも切ない。