【完】STRAY CAT




「……なんでこのタイミングなのよ」



あきらかに「こいつら怪しくね?」みたいな目で見られてる。

わたしとあすみくんがこそこそしてるように見える。



「先に言わねえとお前帰るだろ」



「……、チッ」



くそ、はやく帰ってやろうとしたのがバレてる。

仕方ないから「わかった」とうなずけば、彼は満足そうにゆるりと口角を上げて、自分の席に戻った。



「あすみは彼女と知り合いなの?」



……やっぱりそうなるわよね。

ちゃんと「いや?違う」って否定してくれてるからなんでもいいけど。っていうか、そもそも喧嘩に首を突っ込んだわたしが悪いのか。




「恭ちゃんと同じ中学だったのー?」



「……わたしが聞かないでほしいって思ってるの、気づいてるわよね?

言っておくけど、恭とより戻すとかないから」



はっきり。

ボーダーラインを引いておくわたしに、かわいい顔の彼は「なんだぁ」と残念そうな顔をする。



「どこの学校通ってるの?」



「言わない。恭にも教えてないし」



「その割に、

仲悪そうってわけでもないじゃねえの」



……とりあえず黙っててくれないかな。

もう何を聞かれても話さないことにしようと決めて、もくもくとグラタンを食べる。